日本公共政策学会

研究大会・フォーラム

「2014年度 第18回研究大会」

共通テーマ

「公共政策と法――政策的思考と法的思考の架橋」

日時および会場  
2014年6月7日(土)~8日(日)
高崎経済大学(群馬県高崎市上並榎町1300番地)
  ※非会員の方は大会参加費として 1000円をお支払ください。

開催趣旨

公共政策と法制度について振り返り、新たな地平を目指す:高崎大会への期待
                          2014度研究大会企画委員長 鈴木 庸夫

 今回の大会は、政治状況、経済状況も時代の転換期に当たる年に開催されるもので、公共政策や法制度に関心をお持ちの方々に、学問的にも実践的にも裨益することが大きな研究大会を予定しています。
大会全体共通テーマは「公共政策と法―政策的思考と法的思考の架橋」です。初日の共通テーマ(1)では「原子力法制の諸問題」、二日目の共通テーマ(2)では「憲法改正」を取り上げます。(1)は、前年からの課題である大震災を下敷きにしながら、政策課題と法制度のありようが激しくぶつかる諸課題について整理し、将来的な展望も含めた議論が期待されています。(2)は、まさに政治と憲法をどのように考え、いかなる思考をその起点とすべきか、憲法学の理論と政治状況を睨みながらデスカッションしようという企画です。
 「公共政策と法」というテーマについては、いろいろな議論が可能ですが、共通していえることは、社会的事象を「類型的」に把握し、そうした「切込み」(種やパターン)によって、日本社会に起こる事象を「パターン・マッチング」しながら対処し、また分析するところにあります。各種法制度はこうした「行為類型」や「人の類型」を前提に、ある時は制裁を科し、ある時は「サービス」や「利益」を与えることによって、公共的な課題に応えようとするものです。日本の行政法規の大部分は、霞ヶ関の各省庁によって立案・執行されますが、そこでは、法制度の前提となる「行為類型」や「人の類型」、「生活類型」などが、環境の変化によって、立法当時と異なってきているにも関わらず、保守的な解釈によって、切り捨てられるという現象も多々生じてきます。したがって、公共政策学もあらたな「類型」を提示することによって、法制度の転換や解釈運用を変えていく力を有しています。 
 個別テーマセッション①「司法と政策・行政―司法過程による政策法務の可能性」、②「公共選択論及びその政策含意の行方」③「政策実施の中のルールと裁量のバランス」④「日本における男女平等の現状と課題―女性の力を考える」は、以上のような課題意識から企画されています。とくに①は、最近の裁判所による「政策形成」の現状と課題を取り上げ、また③は、「類型的」アプローチのしにくい生活保護行政を取り上げ、「類型」と「裁量」の緊張関係を取り上げようとしています。④は「女性」という類別がいかに取り扱われているか、現状を考察し、他面でその社会的改変力の側面をどう評価するか、扱っています。以上のような本大会のテーマに即した新たな企画のほか、②も公共選択論の節目ともいうべき議論を展開しようとしています。公共政策学会の継続的なテーマである⑤「政策系学部、大学院のカリキュラムを考える」⑥「公共政策学の新しい教育研修手法」もあらたなメンバーを加えてパネルを組んでいます。
 若手・自由公募は併せて23に上り、本年も会員の方々が意欲的に取り組んでいます。時代を反映したテーマも多く、公共政策学会がいかに多彩な方々によって支えられているかが判ります。時代の転換期は、パラダイムの転換が起こる時期。緊張感の伴った素晴らしい大会になることを確信して、高崎経済大学で会員の皆様をお待ちしております。

大会案内

2014年度研究大会実行委員長 大宮 登

日本公共政策学会の2014年全国研究大会は、高崎経済大学で開催されます。今回の研究大会の共通テーマは、「公共政策と法―政策的思考と法的思考の架橋」です。公共政策にとって法的な思考の再点検をやらずして、より良い政策提言は不可能ということを再確認したいと思います。
自然や食が豊かで、温泉も数多い群馬県のなかで、高崎は人口37万人を抱える地方中核都市です。高崎大会は、上記の要領で研究大会を開催します。また申込み等は下記の要領に従ってお願いします。公共政策を研究している皆さん、また、公共政策に興味関心を持っている皆さん、そして実際に公共政策に携わっている皆さん、ふるってご参加くださいますよう、お願い申しあげます。

◆大会会場
・高崎経済大学(JR高崎駅西口からタクシーで10分)高崎市上並榎町1300
◆懇親会
・6月7日(土)に懇親会を開催しますので、当日、受付にて会費をお支払いください。会費は4000円の予定です。会場は、高崎経済大学7号館1Fです。


大会案内・レジュメ、予稿集

→ 大会案内・レジュメ集はこちら
→一日目の各プログラムの予稿集はこちら
→二日目の各プログラムの予稿集はこちら
※パスワードは、会報パスワード(バックナンバーの閲覧のための)と同じです。(半角英数)

・予稿集は事前にダウンロードしてください。
・当日、予稿集DVDを用意します。1000円です。

大会参加申込

・大会参加の方は、下記URLから5月25日(日)までに手続きをしてください。

[高崎大会イベントページ]
http://kokucheese.com/event/index/163813/

・大会案内・レジュメ集と一緒に送付する申込書に記入してFAXで送っていただいても大丈夫です。
 高崎経済大学 大宮研究室 FAX番号 027-343-4830
・大会準備のため、早めの参加申込にご協力をお願いします。

大会プログラム

第1日目 2014年6月7日(土)
9:00 受付開始(1号館1F)
9:20~10:20(60分) 若手報告Ⅰ 政策転換
司会:松井 望
三谷宗一郎
なぜ政策の根本的転換は起こらないのか
―意思決定前提概念による国民皆保険政策の説明 
尾田 基
制度化されたロビイングチャネル:行政上の審議会・懇談会についての分析             
会場132

9:20~10:20(60分) 自由公募Ⅰ 情報処理
司会:岡本哲和
榎並利博 電子行政における外字問題について       
加納知行 テキストマイニング手法による現代都市計画政策の動向分析
会場142

10:30~12:30 個別テーマセッションⅠ
司会:新保浩一郎
田中孝男 横田明美 吉田勉 
司法と政策・行政―司法過程による政策法務の可能性
会場132

司会:奥井克美 佐野 亘
富崎隆 湯之上英雄 横山彰 
公共選択論及びその政策合意の行方
会場142

司会:和田明子
宮脇昇 丸山剛司 窪田好男
公共政策学の新しい教育研修技法 2      
―ケースメソッドとゲーム―
討論者:縣公一郎
会場151

10:30~12:30 自由公募パネル
司会:佐藤徹
佐藤徹 田中啓 佐藤幹
行政経営の最前線
会場145

10:30~12:30 自由公募Ⅲ
政策形成
司会:林沼敏弘
黒澤之
震災初動に触れた観光地防災計画作成の意義   
立法過程
司会:土山希美枝
松浦淳介
国会における多数派交代と閣法の立法過程    
会場144

10:30~12:30 若手報告Ⅱ
地方自治の在り方
司会:山口道昭
一瀬敏弘
地方自治体の人事制度改革による政策評価―行政職・警察職の職階間賃金格差の比較分析
会場143

田中富雄
ニセコ町まちづくり基本条例の制定効果
会場134

12:40~13:00 総会Ⅰ(旧執行部)
2013年度事業報告、決算報告など
会場111

13:00~13:50 理事会・昼食
新執行部理事会(158)
昼食(学生食堂 7号館1F) 

14:00~16:30 共通テーマセッションⅠ
司会:織 朱實
高橋滋 友岡史仁 田中良弘 川合敏樹 長谷浩之
原子力法制における諸問題
「原発再稼働(是非を含む)と原子力損害賠償をめぐる政策課題」
パネリスト:川合敏樹・長谷浩之・髙橋滋・友岡史仁・田中良弘
会場111

16:40~17:10 総会Ⅱ(新執行部)
会長の選出など
会場111

17:20~17:50 学会賞授賞式  
2014年度学会賞受賞式
会場111

18:00~19:30 懇親会  
受賞者スピーチ
懇親会(含む受賞者スピーチ)
会場7号館

第2日目 2014年6月8日(日)
9:00 受付開始(1号館1F)
9:20~10:50(90分) 若手報告Ⅲ
医療政策
司会:堀真奈美
岡野内徳弥 岡野内俊子
医薬品事故における再発防止等のための事故調査の在り方の検討
間中健介
日本版NIH創設を受けた、日本での治療開発の在り方について~希少疾患の治療開発に求められる、日本版ITCCの応用
日野原由未
ニュー・レイバーのNHS改革における人的資源政策―「現代化」の手段としての外国人医師雇用の意義と課題
会場132

法・政策の経済学
司会:小澤太郎
田畑琢己
費用効果分析に対する裁量統制の限界―異なる費用便益要素間の評価に関する研究
能登康之介
医療用医薬品の取引慣行問題形成メカニズムの分析
会場142

環境政策
司会:金川幸司
渡辺亨
地域共有材の保全活動における民間企業と行政の連携
村上紗央里
協働による環境教育政策のイノベーションの可能性―環境教育等促進法を題材として
会場151

11:00~13:00 個別テーマセッションⅡ
司会:松井望
山口道昭 関智弘 岩永理恵
政策実施のなかのルールと裁量のバランス:生活保護制度を事例に
討論者:手塚洋輔
会場132

司会:窪田好男
小澤太郎 飯尾 潤 市川宏雄 塚本壽
政策系学部・大学院のカリキュラムを考える 2 
会場142

司会:野口暢子
岡澤憲芙 二宮周平 上原恵美
日本における男女平等の現状と課題~「女性の力」を考える 
討論者:田村哲樹                  
会場151

11:00~13:00 自由公募Ⅳ
パネル司会:西田亮介
山口翔 岩出和也 工藤郁子 西田亮介
情報社会の政策形成
―情報のマネジメントと情報発信
討論者:成原慧
会場145

11:00~13:00 自由公募Ⅴ
環境問題
司会:佐野亘
上野眞也
地下水保全政策から考える自己組織化によるガバナンスの可能性
永見靖
付随的業所管行政の研究
会場144

居住選択
司会:後房雄
玉井雅隆
「保護されない」マイノリティと欧州公共政策
西出崇
地方部の青年層における居住地選択志向の分析
会場143

後見制度
司会:田中孝男
三野寿美
任意後見制度における今日的課題
飯間敏弘
成年後見の実務の現状に関する実証研究
会場134

13:00~13:50 昼食(学生食堂なし)

14:00~16:00 共通テーマセッションⅡ
司会:鈴木庸夫  
大石眞 野中尚人 鬼頭誠
憲法改正
会場111

*当日教室変更の可能性もありますので、受付で配布する大会案内でご確認ください。
◆宿泊のご案内
・高崎市内には多数のビジネスホテル等があります。特に大会事務局で特に紹介はしません。皆さんでお手配をお願いします。

◆昼食
・1日目は大学の食堂が開いていますのでご利用ください。2日目は食堂の営業はありません。大学周辺には食事をするところがありませんので、申しわけないですが近くのコンビニで購入するか、持参してください。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。

◆報告者等のみなさんへ
・当日、会場にはプロジェクター、パソコンを用意します。ご自分のパソコンを持ち込んで頂いても大丈夫です。
・また、会場にはコピー、印刷等の設備はありませんので、当日配布資料がある場合には各自でご用意ください。

◆バス等
・大学のバスが、両日とも、高崎駅西口のアーバンホテルの西側道路から大学まで、8:45に出ます。1日目の帰りは、19:40に大学から駅までバスが出ます。ご利用ください。タクシーは高崎駅西口から大学まで15分くらいです。公共交通のバスは約20分くらいですがあまり本数はありません。高崎経済大学のHPで、民間バスの時刻表が確認できます。







日本公共政策学会事務局
〒101-8375
東京都千代田区神田三崎町2-3-1
日本大学法学部
松元雅和 研究室
E-mail:jimukyoku[at]ppsa.jp([at]を@に変更してください。)